変更の届出が必要になる主な場面
| 変更の内容 | 届出 | 注意点 |
|---|---|---|
| 加算の区分を上げる・下げる | 必要 | 区分の変更は算定を始める月より前に届け出る |
| 計画書に記載した事業所を追加する(新規開設など) | 必要 | 新しい事業所の算定開始月に間に合わせる |
| 事業所を廃止する・休止する | 必要 | 廃止までの期間の実績報告も別に必要 |
| 法人の合併・事業譲渡 | 必要 | 計画書の作成単位そのものが変わる |
| キャリアパス要件・職場環境等要件の内容を変える | 内容による | 要件の該当状況が変わるなら届け出る |
| 就業規則の軽微な修正 | 多くは不要 | 要件に関わる部分の変更なら確認する |
届出の要否と様式は、通知と指定権者の案内で定められています。自治体によって運用が違うことがあるので、変更を決めたらまず指定権者の案内を確認してください。
期限から逆算する
加算の区分を上げる場合、届出の期限に間に合わなければ、その月から上の区分で算定できません。1か月遅れると、そのぶんの加算の差額がまるごと受け取れなくなります。
- 変更後の内容で算定を始めたい月を決める
- 指定権者の案内で届出の期限を確認する
- 期限までに、変更後の要件を満たしていることを示す書類(規程・名簿・取り組みの記録など)をそろえる
- 計画書の該当部分を書き直し、変更届と一緒に提出する
- 算定を始める月の請求で、新しい区分が反映されているかを確認する
区分を下げるときも届け出る
職員の退職で要件を満たさなくなった場合など、区分を下げなければならない場面もあります。このときも届出が必要です。要件を満たさなくなったのに上の区分で算定を続けると、その期間の加算は返還の対象になります。
事業所が増えたとき・減ったとき
法人で一括して計画書を作っている場合、事業所の増減は計画書の作成単位そのものに影響します。
- 新規開設した事業所は、指定を受けた月から加算を算定できるよう、指定の手続きと並行して準備する
- 廃止した事業所の分も、廃止までの期間について実績報告が必要になる
- 事業所の増減で法人全体の加算見込額が変わるので、配分の計画も見直す
変更の履歴を残しておく
年度の途中で変更があった年は、実績報告で「どの期間にどの区分で算定していたか」を正確に書く必要があります。変更届の控えと、算定区分の変更履歴を、実績報告を出すまでまとめて保管しておきます。運営指導でも、変更の経緯は確認されやすい点です。
経営者として気を付けること
変更の届出は事務担当者の仕事と考えられがちですが、届出が必要になるきっかけの多くは経営判断です。事業所の開設、区分の変更、合併や事業譲渡は、いずれも経営者が決めることで、決めた時点で届出の段取りを始めなければ間に合いません。
| 経営判断 | 届出の観点で同時に決めること |
|---|---|
| 新しい事業所を開設する | 開設月から加算を算定するための計画書の作成と、配分の対象にする職員 |
| 加算の区分を上げる | 要件を満たす書類の準備期間と、算定を始める月 |
| 事業所を閉じる・譲渡する | 閉じるまでの期間の実績報告と、職員への配分の精算 |
| 法人を合併する | 計画書の作成単位と、両法人の賃金体系の統合方針 |
特に事業所の譲渡や廃止の場合、その事業所で受け取った加算の配分が終わっていないと、未配分の加算を返還することになりかねません。事業所を閉じる前に、その年度の加算と配分の差額を確認し、不足があれば職員への一時金などで精算しておく必要があります。
社労士が顧問先で確認すること
- 顧問先で事業所の開設・廃止、区分の変更の予定がないかを、年度の途中にも定期的に確認する
- 要件を満たす職員(介護福祉士・年収440万円以上の職員)の退職で、区分を維持できなくなっていないか
- 変更届の控えと、算定区分の変更履歴が保管されているか
- 廃止・譲渡する事業所について、加算と配分の精算が済んでいるか
- 合併や譲渡の場合、承継する職員の賃金水準が下がっていないか
変更の届出が漏れる原因の多くは、顧問先の内部で「誰が届け出るか」が決まっていないことです。人事の変更は社労士に、請求の変更は請求担当に、と情報が分かれていると、どちらも届出に気づきません。変更の予定が出た時点で社労士に一報をもらう取り決めを顧問先としておくと、届出の漏れを防げます。
よくある質問
届出の期限に間に合わなかった場合はどうなりますか
期限に間に合わなければ、予定していた月からの算定や区分の変更ができず、翌月以降からになるのが通常です。区分を上げる場合はその分の差額を受け取れなくなるので、期限から逆算して準備してください。
法人内で事業所を移った職員がいる場合も届出が必要ですか
職員の異動だけでは、通常は変更の届出は必要ありません。ただし異動によって要件(介護福祉士の配置割合や年収440万円以上の職員の有無など)の該当状況が変わる場合は、区分への影響を確認してください。
変更届と翌年度の計画書は別に出すのですか
別の手続きです。年度の途中の変更は変更届で、翌年度の内容は翌年度の計画書で届け出ます。年度末に近い時期の変更は、どちらで扱うかを指定権者に確認してください。